アテネを経由するということ
a0025133_232245.jpg昨日、読み終わりました。

遺作となってしまった野沢尚さんの『龍時 03-04』です。01-02から欠かさず読んでたし、これで終わってしまうのは本当に残念。テレビドラマの『砦なき者』とかも面白かったのに…ご冥福をお祈りします。

無名の高校生に過ぎなかった主人公のリュウジがスペインに渡り、ベティスにレンタル移籍しての活躍が前作まで。今作ではオリンピック日本代表に選ばれ、本大会での戦いが描かれています。

何と言っても面白いのは、現実のU-23の面々が実名で登場していること。選手それぞれの描写もなかなか細かくて楽しいです。
これを読みながら一足先に本大会に思いを馳せるのもいいのではないでしょうか。

あとがきにこう書かれています。
>この小説を仕上げる段階で、アテネ行きの18人のメンバーはまだ発表になっていません。
>小説に登場するメンバーは必ず選ばれると信じていますが、ひょっとしたら現実との食い違いが  >生じるかもしれません。

*あとがきの日付は2004年5月。味スタでトルコ選抜との親善試合があった頃です。

確かに現実とは違っていました。(ちなみにオーバーエイジも一部違う人選です)

選手の人選は監督の胸中のみにあり、ある程度の予想は出来ても、何かの衝撃が待ち受けていることもあるわけで…人数の制限がある以上、仕方が無い事ですけれど。

多くの東京サポーターの心配の種は石川だったでしょうし、今は全員選出されてほっと一安心というところです。

サポーターとしちゃ自分とこの選手を落選させたら、うらみつらみの一言も言いたくなる…これまでの戦いを見てきて、他チームながら鈴木啓太の落選は驚きました。

オリンピック代表に選ばれ、出場することがワールドカップへの近道であるわけではもちろんありません。もしかしたら今回落選してしまった選手がオーバーエイジで出ることがあるかもしれませんよね。
ただチャンスや経験という意味では、それがサッカーの世界においてもかなり重要な意味を持ちますし、落選してそういう機会をひとつ逃してしまうかもしれない、という焦りのようなものもあるのでは…

選手達はこういう分岐点を何回も経験してきて、その度に自分と向き合わなければならなかったのでしょう。そういう苦しさの先には成長した姿とか楽しみがあるとは言いますが、苦しんでる最中にはやっぱりそこまで考えられないですよね。

人生は死ぬ時に幸せだったかどうか分かる、っていう話を聞いた事がありますが、毎日の中ではそんな達観した気分にもなれないし。

選手もサポーターも、この事を長い目で見られる日がきっと来るはず。って思いたいです。そうやって前向きに考えていくしか気持ちを奮い立たせるものはない、というのもありますが…

選ばれた選手は思いっきりプレーして結果を。選ばれなかった選手はその分プレシーズン・ナビスコもあるし、自分のところのサポーターを楽しませて、いつかまたきっとくるチャンスのために。
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by wabisabi2004 | 2004-07-16 23:11 | football
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